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アーティスト > 筆塚稔尚
筆塚稔尚 作品制作
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筆塚稔尚さんの近況(2006年1月)

作っていれば幸せ。


 新年も半月過ぎ、みなさんも普段の生活が戻ったことと思います。
僕はといえば、去年の暗示を拭うように、制作が続いています。もちろん、僕の生活は会社員のように暦で休日が取れるような仕事ではないのですが、今年も数日出かけただけでほとんど家にこもっています。陽気な引き篭もりでス。それにしても最近の灯油の値上がりは去年の2倍、キツイものがありますが、需要と供給のバランス、仕方ありません。中国の人だって寒いのです。アラブに進出して収支をトントンに出来ればまだしもいいのですが、そうもゆきません。

 ここしばらく版画を一休みして、油絵の具とリキテックスでカンバスに絵を描きはじめました。下地のパネル作りはお手ものもです。画材が変わると絵も変わる。でもこれが結構大変です。これがレストランならまだしも、まるで主婦が夕飯の献立に悩むのに似ています。これを作るならあれがいる。これがあればあれが出来る、なければそれを選んであれを作ろうノ。おっと!焼き肉の鉄板がないから、結局すき焼きかな?ノなどと。
 画材と相談しながら刷毛や筆を買い足しながら、いつもは使わない色やテクスチャーを試しながら四苦八苦しています。わざとある画材を使わなかったりすることもあります。全て揃っているからいいとも限らないのです。レストランが改装して、なじみの味が変わるのに似ています。ほんと、絵を描くのは料理に似ていて面白いです。そういう訳かどうかは知りませんが友達の絵描き仲間にも料理のうまいのが大勢います。
 以前、アメリカの本屋さんで「ジャズ・クッキング」というジャズ・ミュージシャンの紹介と、彼らが普段作る自己流の料理を集めた本がありました。買いそびれてしまいました。





 我が家の台所は、といっても家全体ですが、友達に手伝ってもらい改装しながら住んでいます。去年は台所・トイレ周りの改装の年で、引き戸を直し壁を塗り替え、棚を作り直しました。会社員とちがい、自分が何を作っているのか、材料から全て自分で見渡せるのがいいです。結局、僕は何か作っていれば幸せな人間、マグロと同じ、止まったら死んでしまいそうです。
 友人の作家の木下恵介君も自宅マンションを自分で改装しています。彼の場合はもっと本格的ですが、いつ出来上がるのか。
 ところでその引き戸ですが、住み始めて15年ぐらいベニヤ一枚の引き戸でした。アイデアはあったのですが、全体像が浮かばなくて、冬の寒い日もそのままでした。そのベニヤ一枚の引き戸をやっと取り替えることが出来たのが昨年の冬。いまだに細かな所をつめながら結構気に入って使っています。引き戸なのですが、飾り棚になっていて両側から中に入れた台所で使うものが見えるようになっています。そして運良く、使わなくなった引き戸はそのままイーゼル代わりに仕事場へ祝栄転!退職はまだまだ先です。引き戸の下にはコロがついているので移動にも楽で、狭い我が家にはもってこいでス。

こうして今年も絵を描くこと、料理すること、大工仕事の境のないままの一年がまた始りました。今年はちょっと違った個展ができると思います。



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